Thursday, March 19, 2020 10:14 AM
インテル、脳の構造を模した高性能電算システムを提供
インテル(intel)は18日、ニューロモーフィック(Neuromorphic)電算システム(脳の構造を模したチップを基盤とする演算処理)のポホイキ・スプリングス(Pohoiki Springs)を研究グループの加盟者らに提供する準備が整った、と発表した。
ベンチャービート誌によると、同システムは、標準的なサーバー5台に相当する大きさで、インテルが主導する「ニューロモーフィック・リサーチ・コミュニティー」の加盟者に対して提供される。
同システムはクラウド電算プラットフォーム経由で提供され、インテルのNX-SDKおよび同コミュニティーが開発したソフトウェア・コンポーネンツを使用する。
ニューロモーフィック電算とは、脳の神経細胞であるニューロンを模した電子回路網によって構成される電算システムを製作して、スパイクと呼ばれる電気化学的なエネルギーによる情報伝達を機械内で模倣するしくみ。
ポホイキ・スプリングスには、インテルの開発したナフク(Nahuku)ボード24枚にインテルの研究向けチップ「ロイヒ(Loihi)」が各32基、合計で768基組み込まれており、消費電力500ワット未満で1億ニューロンの働きを模倣する。1億ニューロンは、ネズミのような小型哺乳類の脳に等しい容量だ。
インテルは、同システムを使って10種類の臭いの違いを区別するよう人工知能モデルを学習させるのに成功したばかりだ。
「ポホイキ・スプリングスを使うことで、現時点では高性能電算システムを使っても時間のかかる演算を加速する方法を模索できるようになる」と、インテルの研究責任者マイク・デイヴィス氏は述べている。
ニューロモーフィック電算は、いままでにない効率と性能を達成する手段と目されており、インテルのほか、IBMやHP、マサチューセッツ工科大学、パデュー大学、スタンフォード大学を含む多数の研究機関で研究されている。
【https://venturebeat.com/2020/03/18/intel-debuts-pohoiki-springs-a-powerful-neuromorphic-research-system-for-ai-workloads/】