Tuesday, March 24, 2020 10:10 AM

人工知能による患者対応力を強化する病院が増加

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応として人工知能技術を導入する病院が増えている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、フロリダ州のタンパ・ジェネラル・ホスピタル(Tampa General Hospital)は、来院者の顔をスキャンして発熱者を検出する人工知能システムの導入を進めている。

 また、イスラエルのシェバ・メディカル・センター(Sheba Medical Center)は、感染者治療を目的として開設した施設に人工知能によるモニタリング装置を設置した。

 年間160万人前後の患者に対応するシェバ・メディカル・センターでは、これまでに40人のコーヴィッド19患者を診察し、そのうち5人がすでに退院した。同センターはまた、従業員寮を40病床の特別治療棟に変えたほか、地下駐車場内に40病床の集中治療室を開設した。

 隔離されるそれらの病棟には、イスラエルの医療機器メーカーのアーリーセンス(EarlySense)が開発した検知装置が活用されており、コーヴィッド19患者が発症しやすい症状の変化をモニターする。

 一方、平常時の患者数が年間500万人以上というタンパ・ジェネラル・ホスピタルでは、これまでに3人のコーヴィッド19患者を受け入れた。現在導入中の人工知能システムは、オーランド拠点のケア・ドット・エイアイ(Care.ai)によって開発されたもので、感染可能性者を適切な受け付けへ案内するために使われる。

 人工知能を導入して業務効率化に取り組む病院は、新型コロナウイルスが中国の湖北省武漢市で発生する前から多数ある。調査会社ガートナーのグレッグ・ペッシン氏は、人工知能の導入実績を土台とするデータ学習の蓄積があるシステムのほうが高い効果を期待できる、と話した。

https://www.wsj.com/articles/hospitals-tap-ai-to-help-manage-coronavirus-outbreak-11584696601