Monday, April 06, 2020 10:15 AM

ウイルス感染をスマート腕輪で検出へ

 ニューヨーク市拠点の健康管理ソリューション新興企業ウォップ(WHOOP)は、運動量や健康状態を追跡するスマート腕輪を活用することで、新型コロナウイルス感染症「コーヴィッド19(COVID-19)」による呼吸器系問題を早期に検知する新機能の可能性を探っている。

 テッククランチ誌によると、豪州中央クイーンズランド大学(Central Queensland University Australia)は、米クリーブランド・クリニックとの共同研究のもと、ウォップのスマート腕輪を使ってきた利用者のうち新型コロナウイルスに感染したボランティアの同端末からデータを集めて、感染前と感染後で呼吸器機能にどのような変化があるかを調べている。

 対象となる端末はウォップ3.0。同機種は、利用者の睡眠中における呼吸数を正確に測り、睡眠の質や呼吸器機能の正常性を診断するための研究対象機器およびデータとしてアリゾナ大学にも正式に採用された。

 ウォップの研究協力担当班によると、同社のスマート腕輪が記録して報告する利用者の呼吸数は、一定期間以上の利用によって確立された個々の基本数から逸脱することはめったにない。したがって、呼吸に変化が起きた場合には、1)異常に高い温度または酸素濃度の差に起因する環境的要因か、2)下気道感染症のように体内で発生した何らかの異変、という原因が考えられる。

 コーヴィッド19は、上気道に問題を起こすインフルエンザや風邪とは異なり、下気道に感染症を起こすことが判明している。したがって、環境上の要因では説明できない下気道問題による呼吸数の変化と、ウイルス感染に起因する可能性の高い呼吸器系の異常には、強い相関関係があるという仮設が成り立つ。

 同社のスマート腕輪は、通常の呼吸から逸脱する状態を検知するよう設計されていることから、新型コロナウイルスが原因の呼吸器系異常による呼吸変化を早期に検知できる可能性がある。

https://techcrunch.com/2020/04/01/researchers-to-study-if-startups-wrist-worn-wearable-can-detect-early-covid-19-respiratory-issues/