Wednesday, April 22, 2020 10:00 AM
アルファベット傘下のルーン、ケニアでついにサービス開始
アルファベット傘下のルーン(Loon)は21日、史上初の商業向け高速無線インターネット接続用風船群によるサービスをケニアで立ち上げたことを明らかにした。
ルーンは、通信用基幹設備が未発達の地域を対象に、高高度の風船群を中継基地局として機能させる高速無線通信網を構築する事業を展開している。同社は、ケニア政府から事業許可を約2週間前に取得した。
テッククランチ誌によると、ルーンは、テルコム・ケニア(Telkom Kenya)との協業によって、テルコム・ケニアの加入者を対象にインターネット接続サービスを提供する。
ルーンが打ち上げた風船群は約6万5000フィートの上空を飛び、無線信号を中継して地上のモバイル通信塔に送信する。同サービスのための新たな地上中継基地も人工衛星も不要であるため、通信用基幹設備が整備されていない広大な地域にインターネット接続をもたらす手段としては安価だ。
それらの風船群は、機械学習基盤のアルゴリズム群によって、対象地域に接続サービスを提供するのに必要な上空に比較的安定的にとどまることができる。異なる気流を捕まえては成層圏内で上下に移動し、固定された対象地域に年中無休の接続性をもたらす。
プエルトリコやネバダ州から打ち上げられた風船群は、ルーンが開発した独自の自動化ナヴィゲーション・ソフトウェアによって、やや遠回りの6800マイル以上の経路を成層圏の気流に乗りながら最速で飛行し、指定の上空にたどり着いた。
ルーンの事業は、通信用基幹設備が未整備の地域に高速無線インターネット接続をもたらす面において画期的だ。今後、同社のサービスを利用する携帯電話サービス会社が続出する可能性もある。ただ、利用料金は、地元の携帯電話サービス会社が設定することから、ルーンにとって採算性を確保できるかどうか難しい場合も生じる、とアフリカのインターネット接続新興企業BRCKは指摘している。
【https://techcrunch.com/2020/04/21/alphabets-loon-deploys-internet-connectivity-balloons-to-kenya-for-first-commercial-service-launch/】