Monday, April 27, 2020 10:10 AM
MIT、洗濯機で洗える縫い込み可能の検知器を開発
マサチューセッツ工科大学の研究班は、布生地に編み込んで洗濯機で洗える新型の超薄型軽量検知器を開発した。患者の衣服やスポーツ選手の運動着の生地に縫い込めば、体温や心拍数、呼吸数といった生命兆候をつねに追跡および監視してそれらのデータを集めることが可能となる。生地の外観をまったく変えず、また、生地から取り外して別の生地に再使用することもできる。
テッククランチ誌によると、同検知器は、医療やスポーツ、宇宙開発の分野で幅広く応用できる可能性を秘めている。
同開発事業は、米航空宇宙局(NASA)とMITのメディア・ラブ・スペイス・エクスプロレイション・イニシアティブ(Media Lab Space Exploration Initiative)によって部分的に資金援助された。
航空宇宙局は、宇宙飛行士の生体情報(生命兆候)を追跡する効果的手段として同技術の開発に注力している。それと同時に、新型コロナウイルス感染症「コーヴィッド19(COVID-19)」が世界中に被害と打撃を及ぼすなか、地上での応用への期待も膨らんでいる。
その一つは、健康状態の常時確認を必要とする慢性病を抱える患者の生命兆候を簡単かつ低コストで検知し、容態の異変を早期に検知して悪化を防ぐという活用法だ。そのほか、遠隔医療に応用できる可能性も容易に想像できる。同検知器を編み込んだ服を着ることで、生命兆候データを常時検知および収集することで、患者にとっても医療提供側にとってもリアルタイムでの対応過程を自動化できるようになる。
コーヴィッド19は、高齢者以外でも基礎疾患(持病)のある人にとって脅威的な病気だ。特に、急激な容態悪化を引き起こすことがすでに知られており、軽症だと判断された数時間後に人工呼吸器を装着する状態に重篤化し、そのまま助からない症例も多い。
生地に編み込める柔軟かつ超薄型かつ軽量の検知器は、いくつかの技術会社らがこれ
までに開発してきた。一部では商品化もされたが、大量の需要につながったものはない。MITが今回開発した検知器は、身体装着がもっとも簡単で、装着感がもっともない点においてこれまでの柔軟検知器よりすぐれているとみられる。
【https://techcrunch.com/2020/04/23/mit-develops-machine-washable-sensors-that-embed-in-clothing-for-constant-vital-sign-monitoring/】