Monday, May 11, 2020 10:06 AM
作業員に「2組目の両手」を与える新型ロボットが登場
人間と協働するヒューマノイド・ロボットを開発するためにEUが5年前から進めてきた研究&開発事業が先日終了し、その成果として「ARMAR-6」というロボットが製作された。
セカンドハンズ(SecondHands)と呼ばれる同事業は、800億ユーロの巨費が投じられたEUの研究&開発努力の一環として2015年に開始された。
ベンチャービート誌によると、ARMAR-6は、工場や倉庫で作業員らと一緒に大きな物を持ち上げたり、作業員に必要な工具を手渡したりすることができ、作業員にとって「2組目の両手」の役割りを果たすことができる、と開発担当班は説明した。
5年にわたる研究には、スイス連邦工科大学ローザンヌ校やドイツのカールスルーエ工科大学、ローマ・ラ・サピエンツァ大学、ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン、イギリスのスーパーマーケット大手オカード(Ocado)の技術事業部門オカード・テクノロジー(Ocado Technology)らが参加した。
ARMAR-6は、過去2年ほどにわたって、イギリスにあるオカードの配送センターで試験導入され、ベルトコンベア・システムの保守管理を中心に作業員たちと協業した。たとえば、作業員がはしごに上って作業する際に作業員が工具を置こうと手を伸ばすと、ARMAR-6がその動作を認識して工具を受け取る。ARMAR-6はまた、学習して周囲の環境に順応するように設計されており、作業員かが物を運ぼうとすると、それをつかんで手伝うこともできる。
各種の検知器とカメラが搭載されたARMAR-6は、胴体が伸縮し、腕が回転し、つかみ取ることができる手を指をそなえる。また、視覚データだけを使って周囲の環境に反応できるため、人間の位置や姿勢を理解する。
同事業の重要な目標の一つは、人や物にぶつからずに動ける能力を示すことだった。また、神経回路モデルのみにもとづく音声合成と音声認識も、同研究によって開発された。この種の能力は、コーボット(協業ロボット)を真に普及させるうえできわめて重要と位置づけられる。
【https://venturebeat.com/2020/05/05/eu-robotics-project-gives-maintenance-workers-a-second-pair-of-hands/】