Friday, May 29, 2020 9:20 AM

保険業界、デジタル化を加速

 新型コロナウイルスのパンデミックによって経済活動が打撃を受けているため、あらゆる業界の多くの会社が「新たな日常(new normal)」への対応を模索している。保険業界もその例外ではなく、パンデミックの影響に対応するためにデジタル技術の応用を加速させている。

 インシュアランス・ビジネス誌によると、保険業界は、外出制限や外出禁止のなかでも業務を休止したわけではなく、それどころか、保険金請求をすばやく査定して保険金を払い出す手続きを処理する一方で、新規契約の審査も迅速化することを求められた。

 「危機のさなかで明らかにもっとも重視されているのは顧客体験だ」と、財務情報や物件価額情報を提供するコアロジック(CoreLogic)の保険&空間ソリューション責任者スティーヴ・ブリューワー氏は話す。「われわれは、販売から見積もり、審査、請求処理まで、デジタル手段を介して顧客と接するモデルを整備するためのソリューション開発を重視している」。

 パンデミックが起きる前の2020年初めの時点で世界の保険業界が事業の重点課題としていたのは、詳細な価格設定やリスク管理、作業自動化、業務効率化だった。多くの保険会社は、小回りの利く動きの速い会社になることを目標に掲げていた。

 ブリューワー氏によると、コアロジックの顧客である保険会社の多くは、パンデミック発生前から、新たな顧客対応デジタル・チャンネルを実現するプロジェクトを試験的に導入していたが、パンデミックによってデジタル化が加速している。

 「オフィス閉鎖から1ヵ月ほどで、デジタル・ソリューションを使った新しいワークフローの多くが大規模に導入されるようになった。しかも、消費者がそれらの変化を受け入れている」と同氏は説明する。

 保険会社の社員の大半が在宅勤務を続けるなかで、人との接触を減らす技術を多くの保険会社が活用している。

https://www.insurancebusinessmag.com/asia/news/technology/insurance-companies-speed-up-innovation-amid-pandemic-223241.aspx