Wednesday, June 03, 2020 10:15 AM
マスターカード、データ分析を事業主や政府機関に提供
マスターカード(Mastercard)は、新型コロナウイルス感染症「コーヴィッド19(COVID-19)」パンデミックからの経済回復に関して、同社の集めるクレジット・カード使用データを事業や政府機関が使ってリアルタイムでの状況把握や意思決定を効率化できるようにするサービスを立ち上げた。
ウェストフェア・ビジネス・パブリケーションによると、「リカヴァリー・インサイツ(Recovery Insights)」と呼ばれる同サービスは、ニューヨーク市とロサンゼルス、アリゾナ州のほか、ロンドンとマドリッドの政府によってすでに使われ始めた。
マスターカードは、同社のクレジット・カード決済サービス網から得られる膨大な量のデータを集めて分析することで、コーヴィッド19から回復しようとする経済活動に関する洞察を抽出して提供する。同社は、政府機関と一部の会社にリカヴァリー・インサイツを無償提供する。
「われわれの洞察は、アパレル・ブランドらがオンライン販売需要増を受けて在庫調整を最適化できるようにしたり、グローサリー・チェーンらが買い物客に安全と安心を示せる営業時間を決められるようにしたり、各地域の政府機関らが地域経済の回復を促進するサービスを迅速に策定して実行できるよう支援する」とマスターカードのデータ&サービス担当社長ラジ・セシャドリ氏は話した。
同社が集めるデータと分析ツール群は、消費行動を地域ごとおよび分野ごとにリアルタイムで把握できるようにする。それによって、パンデミックの打撃をもっとも受けた人たちや事業を支援するための予算計画や補助金の最適化、どの業界や商業主がどのように事業を運営し投資をいかに優先させているかを理解するのに大きくする。
ニューヨーク市の場合、パンデミックが3月にピークに達した際、小売業界の売り上げが44%も下がったことがマスターカードのデータによって判明した。地元の政治家や役人らはそれをもとに、市民の購買力から消費税収入を算出して予算編成に反映させ、パンデミックで打撃を受けた市民や事業主向けの支援金や助成金を最適化している。
【https://westfaironline.com/125068/mastercard-provides-data-analytics-for-covid-19-recovery/】