Thursday, June 18, 2020 9:55 AM
クアルコム、RB5プラットフォームを発表
チップ製造大手のクアルコム(Qualcomm)は17日、人工知能技術を使ったロボティクスをおもな用途とする新たな5G対応プラットフォームを市場投入した。
ベンチャービート誌によると、「RB5プラットフォーム(RB5 Platform)」と呼ばれる同製品は、2019年初めに投入されたRB3プラットフォームと同様に、ハードウェアとソフトウェア、そして開発ツール群を組み合わせたもので、消費者や会社、工業、軍事を含む複数分野向けの人工知能ロボティクス開発を支援する。業務用ロボティクスでの人工知能と5Gを融合させた世界初の開発プラットフォーム、と同社は説明している。
RB5に搭載されているクアルコム製プロセッサー「QRB5165」は異機種間電算構造設計を特徴とする。異機種間電算(ヘテロジニアス・コンピューティング)とは、異なる種類のプロセッサーが混在するシステム上での演算を指す。
RB5はまた、クアルコムの第5世代人工知能エンジンを搭載し、イメージ・シグナル・プロセッサー(ISP)によって最大7台までの機械視認(computer vision)カメラを同時にサポートして、SLAM(simultaneous localization and mapping=自己位置推定と環境地図作成)や、物体の検出と分類、自動航行、経路計画といった機能を支える。
RB5はさらに、専用の動画分析エンジンと、4Gおよび5Gの通信に対応するクアルコム製モデム「ヘキサゴン・テンサー・アクセラレイター(Hexagon Tensor Accelerator)」を搭載する。
「5Gが次なる産業革命を起こす。数十億という機器類や装置類が接続され膨大な量のデータが生成される。それによってもっとも恩恵を受けるものの一つがロボティクスだ」「5Gと人工知能の融合は、未来のロボティクスにとって真に最初の一歩となる」と、クアルコムのデヴ・シン上席部長は話した。
クアルコムをはじめ多数の技術大手らは、人工知能が末端電算にいずれ統合されると予想する。それと同時に、末端電算が5G通信に対応することも確実だ。トレンドフォース(TrendForce)によると、末端電算市場は2018年から2022年に年率平均30%で成長すると見込まれる。また、フォレスターは、末端クラウド・サービス市場が2020年に50%以上成長すると予想する。
【https://venturebeat.com/2020/06/17/qualcomms-robotics-rb5-platform-combines-ai-acceleration-with-5g/】