Tuesday, July 28, 2020 10:10 AM

SAP、買収から2年未満でクオルトリックスを分離へ

 独ソフトウェア大手SAPは、体験管理プラットフォーム新興企業クオルトリックス(Qualtrics)を80億ドルの巨額で買収してから2年も経たないうちに、同社を分離して新規株式公開(IPO)させる方針だ。

 クオルトリックスは、買収される前にIPOの準備を進めていたが、IPOのわずか数日前にSAPに買収されることで合意した。

 テッククランチ誌によると、SAPのクリスチャン・クラインCEOは26日、クオルトリックスのクラウド事業が「40%以上」も成長した、と話した。

 独立後のクオルトリックスでは、同社の創設者でCEOだったライアン・スミス氏がCEOに再就任する。スミス氏は、同社がSAPに買収された際にSAPに加わり、クオルトリックスの事業運営の最高責任者として勤務してきた。

 SAPは、クオルトリックスのIPO後に同社の過半を保有する。

 クオルトリックスは、スミス氏を含む4人の起業家によって2002年に立ち上げられた。本社は、ワシントン州シアトルとユタ州プロヴォにある。

 クオルトリックスの中核事業は、商品やサービスの利用者(顧客)体験のほか、従業員の勤務体験、オンライン見本体験、ブランド体験といった各種の体験を調べて顧客の意見や感想を吸い上げるサース・プラットフォーム群の提供だ。多くのフォーチュン500企業がクオルトリックスのいずれかの体験管理サース・プラットフォームを使っている。

 昨今、サース市場はあらためて活況しているため、クオルトリックスのIPOへの道がさらに明確化した、とSAPは考えている。

https://techcrunch.com/2020/07/26/sap-will-spin-out-its-8b-spin-in-qualtrics-acquisition/