Wednesday, August 05, 2020 10:14 AM
旅行関連情報をブロックチェーンでまとめて管理
オーストラリア拠点の新興企業シェアリング(ShareRing)は、旅行時に必要な身元情報や予約のすべてをブロックチェーンで管理するためのプラットフォームを開発した。
フォーブス誌によると、同社のアプリケーションは、旅券(パスポート)や渡航関連書類、銀行カードやほかの支払い手段、ホテルや飛行機、レンタカーの予約、さらには新型コロナウイルス感染症の検査結果といった必要情報をすべてまとめて管理できる。
同社はまた、同アプリケーションに加えて、世界初の匿名式の近接接触追跡パスポートも導入する。電子到着査証(Electronic-Visa on Arrival=eVOA)システムのほか、旅行保険会社、航空会社、ホテル、小売店らとの統合が可能だ。
接触追跡技術は、新型コロナウイルスの防疫対策として注目される一方で、プライバシー侵害の懸念が取り沙汰されている。シェアリングの技術は、分散型台帳の暗号化技術によって保護されて保存されるため、プライバシー懸念を解消できる。
旅行者の健康情報はQRコードに関連づけられ、空港やホテル、小売店の係員がスキャンするだけで検査結果を見ることができる。個人の身元情報はブロックチェーン・システムには保存されず、変更することもできないため、ほかの接触追跡技術が抱える偽造や不正の問題も防止される。
シェアリングのIDに登録する人は、写真と動画のほか、氏名や生年月日、住所といった情報を提供する。それらの情報は、暗号化されたファイルとして利用者の所有端末に保存され、ほかへ転送されることはない。
また、データは暗号化されてブロックチェーン・システムに保存され、利用者が公開鍵暗号でアクセスできる。それらのデータは、グーグル・ドライブのようなクラウド・ストレージに予備保存することもできる。情報が変更され、ブロックチェーンが認識できなくなると、利用者はシェアリングのIDを再度作成する必要がある。
シェアリングのアプリケーションは、260万ヵ所以上のホテルやほかのサービス提供会社にすでに統合されている。
【https://www.forbes.com/sites/nisaamoils/2020/08/02/sharering-uses-blockchain-to-solve-self-sovereign-identity-and-proof-of-health-simultaneously/#523536013e61】