Wednesday, August 12, 2020 10:24 AM

ホテル向けロボット、パンデミックで再脚光

 ホテルの客室サービスや商業施設または産業施設の清掃を目的として開発されたロボットが、ホテルにおいて新型コロナウイルス感染症の拡大を防止する手段としてふたたび注目されている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、その種のロボットは数年前からホテルで導入されるようになったが、あまり効率が良くないうえ、問題を起こすことも多く、おおむね失敗した試みと結論づけられた。しかし、最近になって一部のメーカーが、パンデミックのあいだにホテルを安全に経営する手段として、その活用をあらためて提唱するようになった。

 その種のロボットには、グーグル・ベンチャーズ(Google Ventures)の投資先でもあるサヴィオーク(Savioke)の配達ロボット「リレイ(Relay)」や、メイドボット(Maidbot)の清掃ロボット「ロージー(Rosie)」がある。

 投資家のボブ・オルター氏は、カリフォルニア州に持つ6軒のホテルにおいて、客室に歯ブラシやタオルを運ぶロボットを活用している。パンデミック前には月200〜300回の利用件数だったのが、いまでは最大700回に増えた、と同氏は話す。

 サヴィオークのスティーブ・カズンズCEOは、配達ロボットに対するホテル業界からの問い合わせがパンデミック発生後に倍増したと説明している。その多くは、客室稼働率が回復するだろうと期待される2021年以降にロボットをリースして現場に配備する計画だ。

 サヴィオークは現在、リレイの2倍の大きさがあるロボットの作製を完成させつつある。浴室用の小物以外にも、枕といった比較的大きな備品を客室に届ける需要もあるためだ。

 かたやメイドボットは、これまでの掃除機ロボットに加えて、洗浄&消毒&除菌ロボットを追加しようとしている。

 ホテル向けロボットが2014年ころに初めて登場した際には、機械が人間の職を奪う懸念が一部で取り沙汰された。しかし、今回のパンデミックは、ロボットよりもはるかに多くの従業員を失職させる効果があった。最近では、ホテル経営者らは、表面消毒や除菌といった追加コストを抑えるための手段としてロボットの活用をふたたび積極化させている。

https://www.wsj.com/articles/hotel-robots-get-second-life-as-industry-adapts-to-covid-19-11597147201?mod=tech_lead_pos7