Thursday, August 13, 2020 10:03 AM
高性能XRヘッドセットをより多くの業界に提供へ
法人向け拡大現実(extended reality=XR)技術を開発するヘルシンキ拠点の新興企業ヴァルヨ(Varjo)は、人間の目と同等の精細さを持つXR技術およびヘッドセットを開発したことで、XR技術の産業応用に革新と商機をもたらしつつある。
XRとは、仮想現実(virtual reality=VR)や拡張現実(augmented reality=AR)、複合現実(mixed reality=MR)を総称する言葉。
2016年に設立された同社は、高解像度のXRヘッドセットを企業向けに提供している。航空機操縦シミュレーターをはじめとするさまざまの産業用途では、人間の目と同等の精細さを実現するシステム性能が必須条件と規定される場合がある。
ベンチャービート誌によると、同社の最新VRヘッドセット「VR-2」と「VR-2プロ(Pro)」の価格はそれぞれ5000ユーロと6000ユーロだ。スティームVR(SteamVR)およびヴァルヴ(Valve)の「オープンVR(OpenVR)」開発プラットフォームでホストされたVRコンテントに対応する。
そのほか、同社のMRヘッドセット「XR-1」は開発者向けと位置づけられ、1万ドルで販売されている。XR-1は、現実と仮想の環境を簡単に切り替えることができ、現実から複合現実へ、さらに仮想現実へと変えることができる。
同社は先日、資金調達ラウンドで総額5400万ドルを集めたばかり。同社はそれによって、VR-2とVR-2プロの世界展開に注力する考えだ。
「VR-2とVR-2プロは、ソフトウェア工学者や模擬化技術工学者、産業設計士、研究者らに使われている」「XR-1は通常、制御装置や操縦室を仮想訓練環境と統合させたい会社や、現実の環境で仮想自動車を見てみたい会社らに採用されている」と同社のティモ・トイカネンCEOは話した。
同社のヘッドセットは、単体稼働型ではなくコンピュータと連動する。法人利用者らのニーズに応えた設計だ。
同社の顧客には、ボーイングやボルボ、アウディ、シーメンスがある。ボーイングは、有人宇宙船「スターライナー(Starliner)」の宇宙飛行士を訓練するのにヴァルヨのヘッドセットを使う計画を明らかにしたばかり。
【https://venturebeat.com/2020/08/12/varjo-raises-54-million-to-bring-vr-with-human-eye-resolution-to-more-industries/】