Monday, December 21, 2020 4:36 PM
「MLオップス」プラットフォーム市場に開花の兆し
デロイト(Deloitt)は先日、機械学習オペレーションズ(MLオップス)のためのプラットフォーム市場の年間売上高が2025年までに40億ドルを上回るという予想を明らかにした。
デロイトは、調査報告書「MLOps: Industrialized AI(機械学習オペレーションズ:産業化された人工知能)」を先日公開し、そのなかで同予想を示した。調査を実施したのは、人工知能分野の市場調査を手がけるコグニリティカ(Cognilytica)。
MLオップスを目的としたプラットフォームは現在、いくつかの新興企業によって提供されている。それが今後、デヴオップス・プラットフォームの拡張機能のようになるかどうかは、見方が分かれるところだ。デヴオップス・プラットフォームは、ソフトウェア開発のために多くの会社にすでに使われている。
ソフトウェア開発手法の一つであるデヴオップス(DevOps)は、開発(development)と運用(operations)を組み合わせた造語で、開発担当者と運用担当者が連携する開発手法を意味する。
ベンチャービート誌によると、MLオップスのプラットフォームは、人工知能モデルを構築および導入する過程を支援する。一般的には、データ科学を専門とする部署が手がける業務だ。平均的な部署であれば年に2件の人工知能モデルを構築できれば良いほうとみなされている。
しかし、新型コロナウイルス・パンデミックの影響で多くの会社が人工知能への投資を加速させたことから、「今後18ヵ月以内に同分野が加熱する」と、デロイトの人工知能研究所のビーナ・アマナス氏は予想する。人工知能モデルが通常の業務体制に組み込まれるにつれ、MLオップスを大規模に管理できるかどうかが重要な問題になるという。
MLオップスの新興企業に対しては、ベンチャー・キャピタルが流入しつつある。また、同分野の新興企業は、IPO(新規株式公開)より大企業に買収される可能性が高いかもしれない。MLオップスはIT業務の一環になりつつあり、結果として既存のIT管理プラットフォームの一部に吸収される可能性が高いためだ。
MLオップスは、ITオペレーションズのための人工知能(AIオップス)とは異なる。前者は、人工知能モデルを使ったアプリケーションを構築し導入する過程を指す。それに対し後者は、人工知能を活用してIT業務の管理を自動化することを意味する。MLオップスは、デヴオップスで普及したアプリケーション構築の自動化の考え方を人工知能モデルに応用したものと言える。
MLオップスの過程は、人工知能モデルの構築と導入だけでなく、そのライフサイクル全体にわたる統制や管理にもおよぶ。アマナス氏によると、データ科学者や開発者、データ工学者、品質管理担当者といった専門職の活動を綿密に調整するには、きわめて統制されたMLオップスの取り組みが必要になる。
https://venturebeat.com/2020/12/17/deloitte-mlops-is-about-to-take-off-in-the-enterprise/