Tuesday, October 18, 2016 10:30 AM
プラグ&プレイのマイクログリッドを実現〜ABB、モジュラー式製品を発表
電力技術大手のABBは、「プラグ&プレイ」(設置してつなげればすぐに使えることの意)をうたい文句にしたマイクログリッドのモジュラー式製品を発表した。
クリーンテクニカ誌によると、同製品は、送電網が十分に行き届かない遠隔地での使用をおもな目的としているが、先進国でも発展途上国でも応用できる需要があるとみられる。
同製品は、必要な機器を貨物用コンテナに収めたシステムで、マイクログリッドをすばやく実現でき、また、必要に応じて容量を柔軟に追加する拡張性にも優れる。
同システムには、電池やインバーター、およびABBの専用制御システム「マイクログリッド・プラス(Microgrid Plus)」が含まれており、クラウド基盤の制御システムを介して無線で管理できる。
同システムの容量は50キロワットから4600キロワットのあいだで設定でき、太陽光や風力、送電網、およびディーゼル発電機を電源として使うことができる。送電網への接続と非接続の状態をつなぎめなしに切り替える機能も標準設定で統合されている。
「標準化された拡張性あるわが社のモジュラー式マイクログリッド・ソリューションは、コスト効果と信頼性に優れたプラグ&プレイで、どこででも簡単に設置でき、すぐに運用できる」と、ABBの送電網事業部門のクローディオ・ファチン社長は話す。
再生可能エネルギーを電源とするマイクログリッドは、既存の電力会社を脅かす存在となる可能性がある。ニューヨーク市のブルックリン区では、トランザクティブ・グリッド(Transactive Grid)という新興企業が、ブロックチェーン技術を活用して消費者同士で電力を取り引きできるようにする実験的な協同組合形式のシステムを稼動させている。
ブロックチェーン(blockchain)とは、分散型台帳または分散型台帳通信網と言われる技術。通信網上の情報を同期して取り引き記録を安全に確保できるようにするもので、仮想通貨ビットコインの土台になっている技術として知られる。
ABBはマイクログリッド技術の開拓者として位置づけられる。「技術革新を進め、再生可能エネルギー源の統合を進めることで環境への影響を減らし、化石燃料への依存度を低めることは、いずれも当社の『ネクスト・レベル戦略』の主要素だ」とファチン氏は語っている。
【http://cleantechnica.com/2016/10/17/new-plug-play-microgrid-systems-launched-abb/】