Friday, January 28, 2022 11:30 AM

フィデリティー、規制遵守対応業務の効率化サービスを立ち上げ

 ボストン拠点の投資会社フィデリティー・インヴェストメンツ(Fidelity Investments)は、規則および規制に準拠した広報資料を作成するための技術を金融機関に提供する新事業を立ち上げた。

 ファイナンシャル・プランニング誌によると、「サイファー(Saifr)」と呼ばれる同事業は、数千万件のコンプライアンス審査済みデータから学習した自然言語処理(Natural Language Processing=NLP)モデル群を基盤とするツール群を提供する。

 サイファー担当のヴォール・ヘラルド代表取締役は、「顧客とのコミュニケーションを作成および評価、そして承認する販促班とコンプライアンス班のあだいの協業を促進する」ことがサイファーのねらいだと説明した。

 同氏によると、広報や販促用に使う各種の資料や材料、表現がさまざまの規則や規制に準拠していることを確認するためには、コンテント作成から規則遵守関連の反応、修正、電子メールでのやりとり内容、仕事の引き継ぎ、組織内外の数々の確認事項まで広範での検証が必要だ。

 そういった確認作業によって一連の過程は非効率になり、摩擦やリスクが生じる可能性がある。それらを効率化してリスクを最小限化することがサイファーの役割りとなる。

 同氏によると、サイファーには「人間と機械の協力関係」を強める二つの製品がある。一つは、サイファーレヴュー(SaifrReview)というツールで、文書資料やソーシャル・メディア投稿、音声記録、動画を作成するための仕事の流れを簡便化する。

 販促担当者と規則および規制遵守担当者らは、サイファーレヴューのダッシュボードで共同作業を行うことで、コンテントが承認過程のどの段階にあるかを簡単に追跡できる。

 もう一つは、サイファースキャン(SaifrScan)と呼ばれるツールで、各種のコミュニケーション内容を分析して点数化する。サイファースキャンは、あらゆる会社の既存の文書やソーシャル・メディアを使った仕事の流れに統合される。同ツールは、テキストや画像、動画において規制および規則に関する違反の可能性を示すよう設計されている。

https://www.financial-planning.com/news/fidelity-launches-compliant-marketing-business-powered-by-ai-technology