Friday, February 18, 2022 11:20 AM
データブリックス、金融サービス向けレイクハウスを市場投入
データ倉庫(data warehouse=多種多様のシステムからデータを集めて整理するデータ保存庫)とデータ湖(data lake=規模にかかわらずすべての構造化データと非構造化データを保存できる一元化されたデータ保存)の機能を単一の「レイクハウス」構造に統合したサンフランシスコ拠点の新興企業データブリックス(Databricks)は2月15日、金融サービス業界向けの垂直(特定の業界に特化した)製品「レイクハウス・フォー・ファイナンシャル・サービシズ(Lakehouse for Financial Services)」を発表した。
ベンチャービート誌によると、同サービス群は完全統合プラットフォームで、データブリックスが約1ヵ月前に市場投入した小売業界向け「レイクハウス・フォー・リテイル(Lakehouse for Retail)」に続く垂直製品だ。
今回の金融サービス向けレイクハウスは、銀行や保険、資本市場で事業展開する会社らに特有の技術や商慣行、規制要件を満たすために、マルチ・クラウドの取り組み手法によってカスタマイズされており、データ資産から最大の価値を引き出せるよう利用会社らを支援する。
同サービスを試験運用する契約をすでにかわした大手にはTDバンクやジェミナイがある。
ジェミナイのデータ部門責任者スリ・ラジャッパ氏は、「レイクハウス・フォー・ファイナンシャル・サービシズによってデータの取り込みや機械学習、分析工学を単一のプラットフォーム上に集約できる」と評価している。
「それが意味することは、データ工学者や機械学習工学者、分析工学者といったデータ科学班の技術者および専門家たちが、複雑なデータ工学問題の解決から効率的な人工知能モデル構築、SQLやパイソン(Python)、スカラ(Scala)を使った基礎データセットへの簡単なアクセスまですべてを実行できるようになり、喫緊の課題や問題の解決にかかる時間を大幅に短縮できるということだ」と同氏は話した。
垂直データ活用プラットフォーム市場では昨今、競争が激化している。データブリックスは金融向け分野において、スノウフレイク(Snowflake)やドレミオ(Dremio)、グーグル・ビッグクエリー(Google BigQuery)といった大手らに対抗していく。
スノウフレイクはデータブリックスにとって特に大きな競合相手だ。モンタナ州拠点のスノウフレイクは、金融業界向けデータ倉庫をすでに提供しており、最近では、機械学習の活用法や非構造化データへの拡張によってデータレイク機能をあいついで追加している。
https://venturebeat.com/2022/02/15/databricks-launches-lakehouse-for-financial-services-sector/