Friday, March 11, 2022 11:45 AM
ゲッコウ・ロボティクス、社会基盤老朽化で成長期待
産業ロボティクスと事業資産管理ソフトウェア、設備監視、人工知能技術、関連サービスをエネルギー業界向けに提供する新興企業ゲッコウ・ロボティクス(Gecko Robotics、ピッツバーグ拠点)は、きわめて重要な社会基盤を守るためのデータの収集および分析プラットフォームで台頭しつつある。
ゲッコウは、発電や重工業、石油&ガス、化学、製紙&パルプ、政府施設といった基幹産業の基盤設備の安全維持に役立つ人工知能基盤のデータ・ソリューション群を得意とする。
ベンチャービート誌によると、米土木工学学会(American Society of Civil Engineers)は先日、米国社会基盤評価報告表(U.S. Infrastructure Report Card)を発表し、道路や有害廃棄物、広帯域通信、エネルギーを含むすべての分野でCマイナス(日本でいうところの5段階評価での3の低い部分)評価になったことを報告した。
米国内の社会基盤は、老朽化や被災、そのほかの原因によって修復や補強の必要性が強まったものが非常に増えている。
ゲッコウは3月3日、そういった市場動向や需要増を背景に、シリーズCの資金調達を実施し、総額7330万ドルを集めたことを明らかにした。
同社は、設備点検ロボットとゲッコウ・ポータルを中核製品とする。同社のロボットは、産業設備の壁を登ったり移動したりして正確に点検し、異常の早期発見に貢献する。産業現場の貯蔵施設やボイラー、パイプランの点検作業に重宝されている。同社のロボットには高性能の検知器が搭載されており、壁の厚みやさび、劣化状態を検出してそのデータを即時転送する。
同社の点検ロボットの操作は人間が行う。あえて自動化せず、状態や状況に臨機応変に対応できる精密点検とデータ収集、人工知能ソフトウェアによって問題点を正確かつ確実に特定するのが同社の技術プラットフォームの特徴だ。
一方、ゲッコウ・ポータルは、ロボットによって集められた膨大な量のデータを解析し、その内容を視覚化することで、検査結果を一目瞭然で理解できるようにする。それによって、劣化部分の特定やその深刻さを正確に評価できるようにし、予想保守の計画や修理および補強工事の調整を最適化しやすくする。
https://venturebeat.com/2022/03/03/gecko-robotics-which-captures-data-to-protect-critical-infrastructure-raises-73m/