Monday, March 14, 2022 11:10 AM
MITから独立したOPT、鼻腔用綿棒を3D印刷
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究から独立した新興企業OPTインダストリーズ(OPT Industries)は、鼻腔用綿棒を3D印刷によって作成した。平時であればニュースにならないが、新型コロナウイルス・パンデミックがまだ収束していないことから、関心を集めている。
テッククランチ誌によると、OPTインダストリーズが積層造形したインスタスワブ(InstaSwab)は、髪の毛の太さにも満たない極細のポリマー繊維を印刷材料(インク)としてつくられており、複雑な幾何学模様のような構造が特徴だ。産業工学設計の業界からも注目される構造だ。
同社の3D印刷技術システムは7年の歳月をかけて開発された。インスタスワブは、通常の綿棒とくらべると細菌サンプルの採取に最大20倍の効果がある、と同社は説明している。
ウイルス感染の流行は、その規模に違いはあるが中国を筆頭にアフリカや東南アジア、中東を起源に数年に1度は発生する。したがって、今回のパンデミックに関係なくインスタスワブの必要性は今後も恒久的に続くと予想される。
同社は3月1日、ノースポンド・ベンチャーズが主導したシリーズAの資金調達で総額1500万ドルを集めたことを明らかにした。同社に投資した会社には、クロスリンク・キャピタルとMITが提携するE14ファンドが含まれる。
OPTインダストリーズは、従来型綿棒の代替製品となるインスタスワブの量産を開始する計画を進めている。
同社の創設者兼CEOのジーフェイ・オウ氏は、「極小製造に関する課題を解決する技術を構築することにわれわれは価値を見いだしている」「われわれは顧客会社らと協業し、医療や自動車、化粧品、消費財、そのほかの業界向けの革新的な素材と製品設計、極小製造に取り組んでいる」と述べた。
同社の積層造形技術「ランプ(RAMP)3D」は、端から端までロール状に印刷するのが特徴だ。それによって、従来の3D印刷よりはるかに高速かつ高解像度を可能にした。また、24時間印刷できることから、積層造形の長年の目標である供給上の制約に対応する能力もあるとみられる。
https://techcrunch.com/2022/03/01/mit-spinoff-opt-ramps-up-production-of-its-3d-printed-nasal-swab/