Monday, April 18, 2022 12:15 PM
不動産取り引きをNFTとしてウェブ3によって成約
不動産物件をデジタル資産としてブロックチェーンで管理する売買取り引きが起こり始めている。
不動産売買技術を開発する新興企業プロピー(Propy)のナタリア・カラヤネヴァCEOは、フォーブス誌に4月16日に寄稿した記事のなかで、4月13日に取り引きが成立したフロリダ州タンパの物件売買について説明した。
それによると、不動産物件を非代替トークン(non-fungible token=NFT)として売買した世界3例目となった同取り引きは、これまでの2件と異なり、イーサリアムではなくUSDCを受け付けたという点で意義が大きい、とカラヤネヴァ氏は説明している。それは、ツイッター上のプロピーのコミュニティーに寄せられた要望に対する反応だった。
NFTとは、デジタル・プラットフォームでつくられる文化的現象や作品の所有権と真正性をブロックチェーン技術によって裏付けた創造物およびその形態。
同取り引きでは、プロピーがスマート契約を設定し、NFTを作成したうえで、24時間で販売手続きを完了して所有権を移管した。不動産取り引きとしてはきわめて異例のスピード成立となった。買い手はすでに物件を内見済みで、取り引きが実行された日にはテキサス州を旅行中だったが、ウェブ3の決済を通じて物件の正式な所有者になった。
ウェブ3(Web3.0またはWeb3)とは、一般的にはパブリック・ブロックチェーン技術を基盤として非中央化(分散型)のインターネット接続網とそれを土台に構築されるインターネット世界を指し、次世代のインターネットの姿またはあり方と位置づけられる概念。
カラヤネヴァ氏によると、買い手は、取り引きが終了したのち、プロピーの担当者とズーム対話で会話した際、「次にすべきことは何ですか」と聞くくらい手続きが簡単すぎて戸惑ったほどだ。過去2回のNFT取り引きでも同じことが起きたという。残されたことは、購入した住宅のスマート錠のコードを受け取り、そこから家の鍵を入手するだけだった。
今回の販売取り引きは現在、パブリック・ブロックチェーンに記録されている。その証拠を変更および削除することはだれにもできない。当該NFTは今後、いかなる分散型台帳でも取り引き実行可能で、取り引きが成立するたびに持ち主を変えていく。
同氏によると、ブロックチェーン上に記録されたこれまでの不動産取り引き総額は約40億ドル以上に上る。
https://www.forbes.com/sites/nataliakarayaneva/2022/04/16/click-click-close-how-web3-is-re-engineering-real-estate/?sh=286b76366061