Friday, August 19, 2022 11:50 AM

新興企業のH1、正しい臨床治療情報を人工知能で提供

 医療業界向けデジタル・ソリューションを開発する新興企業H1(ニューヨーク市拠点)は最近、患者の治療にあたる医師らが正しい治療法や手順に沿っているかどうかを確認するための新たな人工知能機能を市場投入した。

 ベンチャービート誌によると、同社は、人工知能技術を基盤に、特定の専門分野の医師を見つけてしかるべき情報を提供できるようにする新機能を自社製品のHCPユニヴァース(HCP Universe)というプラットフォームに追加した。

 同プラットフォームは現在、生命科学業界の会社の医事担当者らによって使われている。同プラットフォームは、医師が最新および最適の医薬品を使っていることを確認することを目的としている。同プラットフォームの利用者らは新機能によって、特定の医師にしぼって最新情報を提供し、患者が受けるべき治療を示唆できるようになる。

 「われわれはこれまで、利用者たちがアクセスして検索し、具体的な治療法を見つけられるプラットフォームを提供してきたが、それでは十分ではない」と、H1の共同設立者アリエル・カッツCEOは話す。

 同氏によると、医事担当者らに実用的データをもたらすうえで最大の課題は、データの関係性を確立して、正しく分類することだ。たとえば、「肥満」を検索すれば、内分泌学の専門医から栄養士、精神科医まで多岐にわたる分野の医師が見つかる。

 「患者が検索する際には、食事療法の専門家だけを探しているわけではなく、自分のニーズに関係した専門家を探している。そこで、それらのデータを関連づけて、利用者らの行動にとって関連性の高い結果を機械学習によって示す必要がある」と、カッツ氏は説明する。

 同社はこれまで、グラフ・データベースを使ってきたが、精度が十分でないことがわかったことから、アマゾンの機械学習ツールを活用し、グラフ・データベースだけでは特定できない複雑な相関関係を学習できるようにした。

 「レストランの推薦で精度が80%ならば良いかもしれないが、がんの診断で精度が80%では許容できない」「これまでは情報の精度と信頼性を重視してきたが、今回導入した機能は、データを洞察に変えることに重点を置いた」と同氏は話す。

 同社は、将来的には、医療関係者の臨床スコアを人工知能で計算できるようにしたい意向だ。患者らが自分の疾患にあう医師や病院を探したい場合に、複数の要素や要因にもとづいて判断できるようにする、とカッツ氏は述べた。

https://venturebeat.com/ai/is-your-doctor-providing-the-right-treatment-this-healthcare-ai-tool-can-help/