Wednesday, August 24, 2022 11:40 AM
網膜症を人工知能で自動診断
糖尿病網膜症を人工知能で検出するシステム「IDx-DR」を開発したデジタル・ダイアグノースティクス(Digital Diagnostics)は8月23日、調達資金を元手に同システムの販促を強化し、市場での普及を目指す計画を明らかにした。
ベンチャービート誌によると、同社は、「人工知能による診断が標準的治療法となる道を開き、医療を民主化し、格差を解消する」という使命をかかげ、シリーズBの資金調達ラウンドで総額7500万ドルを確保した。
同社は2018年に、糖尿病網膜症を自動検出する人工知能アルゴリズムおよびシステムとしては初めて米食品&医薬品局(Food and Drug Administration=FDA)から販売認可を取得した。
IDx-DRは、医師の力を借りずに成人の糖尿病網膜症や黄斑浮腫を検出できる。糖尿病網膜症は、米国やほかの先進国で盲目を引き起こすおもな疾病だ。
デジタル・ダイアグノースティクスの共同設立者兼社長セス・レインフォード氏によると、医師による検査よりもIDx-DRのほうが多くの患者に試験(検査)を行き渡らせることができ、またコスト効果も高い。
同社の共同設立者で執行会長を務めるマイケル・エイブラモフ氏は、網膜を専門とする眼科医であると同時に、機械学習の学位も持つ。臨床医時代に、単純な視力検査を受けるのに数ヵ月も待たなければならなかった患者が多くいる現場を見たことで、網膜症の自動検出に大きな需要があると考えた。
同社の技術は、眼底カメラを使って画像を撮影し、人工知能ソフトウェアで解析することで、臨床医を支援するだけでなく、臨床医に代わって診断をくだすことができる。
同社の事業展望は眼科のみにとどまらない。2020年には皮膚病学を専門とするスリーダーム・システムス(3Derm Systems)を買収し皮膚科に進出した。「皮膚がんやほかの皮膚疾患でも同じような技術の開発に取り組む」と、レインフォード氏は述べた。
https://venturebeat.com/ai/first-fda-cleared-autonomous-ai-makes-new-moves-in-healthcare-diagnostics/