Thursday, August 25, 2022 11:55 AM
原油タンクの稼働中点検をロボットで自動化へ
アプライド・インパクト・ロボティクス(Applied Impact Robotics)は8月24日、原油の地上貯蔵タンク群(Above Ground Storage Tanks=ASTs)が稼働中にタンクを検査および点検するロボットをBPと共同して開発中だと発表した。
タンクターミナルス誌によると、両社は、現行のタンク点検(検査)過程に関連するおもななコストや安全性、環境上の懸念に対処する自動化技術の開発を目指している。
原油タンクは、経年劣化によって底が腐食するため、API 653(American Petroleum Instituteが規定するタンクの点検や修理、改良、再建に関して定めた規格や基準)によっていくつもの要件が規定されている。タンク運営管理会社らは一般に、タンクの稼働をいったん停止して点検することが義務づけられているため、コストと事業資源の負担を強いられている。
アプライド・インパクト・ロボティクスは、タンクの稼働を停止することなく点検できるようにする試験段階の技術をすでに開発している。同社のタンク稼働中検査方式は、現行の稼働停止中検査方式にともなう時間とコスト、リスクを大幅に軽減する。
両社の共同開発では、アプライド・インパクト・ロボティクスがロボティック点検システムの試験と検証を実施し、現行の作業手順と継ぎ目なしに統合できるかどうかを確認する。
アプライド・インパクト・ロボティクスのロボティック技術は、振動と流体噴射を組み合わせ、テザーで接続化されたロボットがフェイズド・アレイ超音波試験(Phased Array Ultrasonic Testing=PAUT)検知器を使ってタンク内床面を検査する。
同ソリューションは、解像度のより高い定量的データセットを生成し、予想保全スケジュールの実施や資産の寿命延長のための新たな機会をもたらすと期待される。
タンク運営会社らは、稼働中検査によるリアルタイム・データを入手することで、タンクの状態を正確に把握し、規定要件を満たすとともに、事業資産の健全性に関する意思決定にとって重要な情報を得ることができる。
両社は、アプライド・インパクト・ロボティクスの技術の実効性と成果を数段階にわたって試験し、ロボットの機能性や検知器の精度、ロボット操縦能力、テザーの信頼性と有効性を共同で検証する。
https://tankterminals.com/news/applied-impact-robotics-works-with-bp-to-develop-new-in-service-inspection-robot/