Monday, August 29, 2022 11:50 AM

ビザ、デジタル・トークンが物理的カードを追い抜く

 クレジット・カード決済サービス大手ビザは8月24日、セキュリティー技術のビザ・トークン・サービス(Visa Token Service=VTS)を通じて世界中で40億以上のネットワーク・トークンを発行し、すでに流通している物理的カードの総数を上回ったと発表した。

 ロイター通信によると、VTSは、16桁のビザ口座番号を、同社だけが解除できるデジタル・トークンに置き換えて口座情報を保護する。

 同社のジャック・フォレステル上席副社長兼最高製品責任者は、「消費者の口座を詐欺の危険にさらすことなく、トークン化によって安全かつ物理的カード不要のオンライン決済を可能にした」と述べた。

 VTSの人気は、新型コロナウイルス・パンデミックによってオンライン購入が世界中で急増したことで急激に高まった。VTSによる電子商取引量はパンデミックが始まって以降に50%以上増えた。

 ビザは、VTSを2014年に立ち上げて以来、2020年までに10億、2021年までには20億のデジタル・トークンを発行し、2022年に入ってからは倍増させた。

 大部分のオンライン消費者はクレジット・カードを使っているが、カード情報窃盗被害も拡大しているため、デジタル・プラットフォームでの買い物をより安全かつ使いやすくするために、多くの会社がデジタル・トークンによる決済への対応を積極化させている。そのため、VTS需要の勢いはしばらく続くと予想される。

 VTSは、グーグル・ペイやアップル・ペイといった人気のデジタル決済アプリケーションと互換性がある。消費者だけでなく、銀行や決済サービス会社らにもさまざまのソリューションを提供する決済セキュリティープラットフォームとして機能し、利用者基盤を拡大させている。

https://www.reuters.com/business/finance/visa-tokens-overtake-payments-giants-physical-cards-circulation-2022-08-24/