Friday, September 16, 2022 11:50 AM

アドビ、フィグマを200億ドルの巨額で買収へ

 アドビ(Adobe)は9月15日、デザイン・ソフトウェア会社のフィグマ(Figma)を現金と株式の約200億ドルという巨額で買収すると発表した。

 2012年に設立されたフィグマは、リアルタイムでのオンライン共同作業を簡便化するクラウド基盤のデザイン・ソフトウェアを開発しており、アドビのXDプログラムと真っ向から競合している。

 インデックス・ベンチャースやグレイロック・ベンチャース、クライナー・パーキンスといったベンチャー・キャピタル投資大手らから支援されているフィグマは、2022年に4億ドルの売り上げを計上する見込みだ。フィグマが2021年に実施した最後の資金調達ラウンドでは、同社の評価額は100億ドルとはじき出された。

 CNBCによると、アドビによるフィグマ買収は、クラウド・ソフトウェア業界の売り上げが2021年の過去最高から激減している事業環境悪化のなかで、売り上げの50倍の額を買収に投じることを意味する。アドビの株価は、同買収報道後に17%の低下を強いられ、2010年以来最大の急落を記録した。

 フォトショップやイラストレーターといったソフトウェアで知られるアドビは、写真や動画、イラストレーションの作成技術、そのほか一部の機能をフィグマのプラットフォームに統合する計画だ。アドビはまた、映像専門家向けの各種のソフトウェアをサービスとして提供している。

 アドビのシャンタヌー・ナレイェンCEOはフィグマ買収の理由について、「有機的な革新と無機的な買収を通じて、新たな分野を創造し、最先端の技術を提供する能力がわれわれの土台」「アドビとフィグマの組み合わせは革新的であり、デジタル協働と創造性を促進するわれわれのヴィジョンを加速させる」と話した。

 フィグマの共同創設者ディラン・フィールドCEOは、アドビによる買収手続きが完了したあともフィグマを率いる。フィグマはアドビのデジタル・メディア事業部門に組み込まれる。

https://www.cnbc.com/2022/09/15/adobe-to-acquire-design-platform-figma-for-20-billion.html