Friday, January 13, 2023 11:51 AM
エヌビディア、小売店の盗難防止向けの人工知能を開発
エヌビディア(Nvidia)は1月12日、小売会社らが抱える課題を解決するための新たな人工知能製品を発表した。
ベンチャービート誌によると、リテイルAIワークフロース(Retail AI Workflows)と呼ばれるその新製品は、全米小売連盟(National Retail Federation=NRF)主催で1月15日からニューヨーク市で開催される毎年恒例の業界見本市「ビッグ・ショー」にあわせて発表された。
エヌビディアは、人工知能アプリケーションを構築するための枠組みである「エヌビディア・メトロポリス・マイクロサービシズ(Nvidia Metropolis Microservices)」を使ってリテイルAIワークフロースを構築した。
新たなそのワークフローは、特に盗難や紛失、損傷によって在庫が減っていく問題に焦点をあわせている。「高インフレーションを受けてそういった問題がいままで以上に深刻化している」と、エヌビディアで小売業界向け人工知能事業を統括するアジタ・マーティン氏は指摘する。
小売店ではセルフ会計システムが普及しつつあり、それも盗難増加の一因となっている。安い商品のバーコードを不正にスキャンするといったことが横行しているためだ。
エヌビディアが開発した損失防止のワークフローは、商品を認識するために訓練された機械学習アルゴリズムによって、キャッシャーでスキャンする際の潜在的な異常を検出する。異常が検出された場合にはキャッシャーの機能が停止し、店員が確認してシステムの錠を解除する必要がある。
エヌビディアは同システムを開発するにあたって、もっとも頻繁に盗まれる商品を数百種類使って学習させた。「洗剤やビールを含む計数万ドル相当の商品を実際に購入して、アルゴリズムに学習させた。さまざまの寸法と形状の商品を認識できる」と、マーティン氏は話す。
さらに、同社のデジタル・ツイン・プラットフォーム「エヌビディア・オムニヴァース(Nvidia Omniverse)」を活用してデータを合成し、精度を高めたという。「そのため、すべての大きさの洗剤とビールを買う必要はなかった」「合成データによって数千という画像の変種を生成した」とマーティン氏は述べた。
https://venturebeat.com/ai/nvidia-adds-ai-workflows-to-retail-to-help-combat-shrinkage/