Tuesday, May 23, 2023 2:30 AM
IBM、ESG機能群統合によって各社の炭素管理を可視化
IBMは4月14日、自社のエンヴィズィ(Envizi)ESGスイート(Environmental, Social and Governance Suite)とIBMターボノミクス(Turbonomic)を統合し、データ・センターとクラウド関連が自然環境におよぼす影響をほぼリアルタイムで可視化するソリューションを顧客会社らの最高情報責任者(CIO)向けに提示した。
SDXセントラル誌によると、IBMオートメーションの製品管理担当副社長ビル・ロービッグ氏は、「技術基幹設備に関連する意思決定を最終的に行う際には、データを活用することがもっとも重要だ」と話す。
各社のCIOらは、自社のIT環境や事業運営に関する二酸化炭素排出量とエネルギー使用量のデータを特定するとともに、正確に測定するソフトウェアを技術集合体に組み込む必要がある。また、持続可能性に関するパフォーマンス基準を設定し、全社的なデータ・アーキテクチャーを確立することで、社内のエネルギー消費削減策の策定や特定、最適化に導くことができる、とロービッグ氏は説明した。
IBMは、ターボノミクスのワークロード最適化と、同社のESGデータ収集、分析、報告ツール集合体であるエンヴィズィを組み合わせることで、データ・センターの資源やワークロードの割り振りを適時に最適化し、「会社全体のESGデータに関する単一の実態情報源」を各社のCIOらに提供する。
利用会社らはその結果、データ・センターや個々のアプリケーション、そのほか各種のIT資源の運用データを追跡して報告精度を向上させ、「コストと炭素排出量全体の削減を支援する社内システムにそれらのデータを供給できる」とロービッグ氏は説明している。
同社はその一方で、組織再編取り組みの一環として、気象情報サービス事業「ウェザー・カンパニー(Weather Co.)」の売却を模索している。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同事業部門の価値は10億ドル以上と見積もられ、IBMは同事業を競売にかけるとみられる。初期段階にあるその売却計画は、私企業投資会社が買い手として有力視されるが、競売や交渉がまとまらない可能性もある。
IBMは、気象情報サービス大手ウェザー・カンパニーの技術や事業資産を20億ドルで買収することに2015年に合意した。ウェザー・カンパニーは、1日あたり250億以上の気象情報を世界中のさまざまの会社や団体、機関らに提供している。
https://www.sdxcentral.com/articles/interview/ibm-esg-integration-aids-cios-carbon-impact-visibility/2023/04/
https://www.wsj.com/articles/ibm-explores-sale-of-weather-business-c174f75c