Wednesday, November 02, 2016 10:53 AM
協業型の機械学習と人工知能に商機か〜シティー・ベンチャーズ、投資を強化
シティーバンクのベンチャー・キャピタル部門シティー・ベンチャーズ(Citi Ventures)は、機械学習(machine learing)と人工知能(AI)技術への投資を積極化させている。
フォーブス誌によると、シティー・ベンチャーズは、シティーバンク傘下で世界6ヵ国にあるシティー・グローバル革新研究所(Citi Global Innovation Labs)とともに新興企業のフィードザイ(Feedzai)に投資する。投資額は非公表。
フィードザイは、機械学習技術を使って電子商取引や金融決済に関与する不正行為をリアルタイムで検知する技術を開発している。
フィードザイのプラットフォームは、ビッグ・データをスキャンして、つねに変化する「脅威」を認識し、顧客にすぐさま通報すると同時に、顧客のシステムを防御する。
シティー・ベンチャーズはそのほか、機械学習技術を開発する新興企業のサイランンス(Cylance)とアイサディ(Aysadi)にも投資している。
シティ・ベンチャーズのラムニーク・グプタ投資責任者によると、機械学習技術で利用するインターフェイスの設計は非常に重要で、その設計には人工知能技術が欠かせない。人工知能は、人間が持つ能力を拡張かつ強化できるというのがその理由だ。
それによって、殺伐としたボット(bot、コンピュータやオンライン機能を使った作業を補佐する簡便化ソフトウェアまたは作業代行ソフトウェアで、代理人ソフトウェアと呼ばれることもある)を使うのではなく、従来通り人間が顧客サポートをしながら、顧客サポートの質を高めることができるという。
グプタ氏はまた、不正を検知するために人工知能のアルゴリズムが必要不可欠である一方で、人工知能を正しい方向に導くには人間が監督しなければならない点を強調した。
グプタ氏によると、人工知能は15年ほど前にも注目されたが、その後いったん廃れ、近年ふたたび復活している。その背景には、ストレージ・コストが下がったことや、コンピュータの処理能力が格段に上ったことがある。
さらに、インターネットに接続する機器が激増したことで、処理データの量が爆発的に増加し、それを受けて金融機関が対応に迫られているという実情も主因だ。