Thursday, November 03, 2016 10:18 AM
IBM、より賢いチャットボットを構築へ〜スラックとの協業で法人向けに
IBMは、スラック・テクノロジーズ(Slack Technologies、カナダのバンクーバー拠点)と協業することで、顧客企業がスラックの職場用メッセージング・システム向けに独自のチャットボット(chatbot)を構築することを簡便化する。
ブルームバーグによると、法人向け業務効率化市場では近年、同僚や班同士、部署間のオンライン協業システムの需要が強まっている。IBMとスラックの提携は、そういった需要に応えることで、それぞれの顧客企業の囲い込みとさらなる市場開拓を狙ったものだ。
チャットボットとは、ひとことで言えば、利用者との会話を可能にする会話代行ソフトウェア。内容に応じて人との会話を進めることができる機能が特徴で、会話ロボットとも言われる。
各種のウェブ・サービスを使う際に、顧客サービス担当の体裁でチャット用の小窓が画面に表示される場合が近年増えている。そういったオンライン・アシスタントのほとんどはチャットボット・ソフトウェアによって稼働している。利用者の質問内容を認識して返答することで、顧客サービスのコスト削減を可能にしている。
IBMとスラックでは、スラックの法人向けメッセージング・システムの利用企業がチャットボット機能をカスタム構築しやすくする計画だ。
IBMはそれと同時に、顧客企業のIT部署がスラックのプラットフォームを去ることなく、従業員から寄せられるIT関連の質問や問題の内容を特定し解決するチャットボットを開発する計画だ。
それを受けて、スラック独自の顧客サービス・ボットであるスラックボットは、IBMのワトソン・カンヴァセーション(Watson Conversation)システムに統合される。
ワトソン・カンヴァセーションには、話し言葉をテキスト会話に変換する技術や、自然言語を認識する技術、人が何を話しているかを理解する技術が含まれる。
スラックボットはそれらの技術を統合することで、技術者たちが机を離れることなく、寄せられた問題内容を理解して解決策を利用者らに提示できるようになる。