Monday, November 07, 2016 10:17 AM

マックよりウィンドウズのほうが3倍高コスト〜IBM、パソコン管理費を比較

 IBMは、アップル(Apple)製パソコンのマックを使うほうがウィンドウズ系パソコンより低コストですむという検証結果を最近明らかにした。

 コンピュータワールド誌によると、IBMは、マックを全社的に導入することでパソコン関連費用を節減できるという見方を2015年に示し、マック1台あたり4年間で270ドルを節約できると発表したが、実際にはそれが535ドルに上ることがIBM社内で実証されたことを報告した。

 IBMの職場効率化担当副社長フレッチャー・プレヴィン氏は、IBM製品利用者会議の席上、IBMでは現在、9万人の従業員がマックを使っていると話した。その数は2015年に3万人だった。IBMでは、2016年末までに世界のIBM従業員10万人がマックを使うことになる、と同氏は述べた。

 プレヴィン氏によると、その理由は、マックOSの更新回数がウィンドウズOSよりはるかに少ないという単純なことではなく、「パソコンの電算環境管理のためにIT担当者らが現場に出向いた回数が、マックの場合、ウィンドウズ系パソコンより1台あたり年間104回も少なかったため」だ。

 さらに、モバイル端末になると、iOS利用者の65%が最新版のOSを使っているのに対し、アンドロイド系端末利用者では60%が2年以上前のOSを使っているため、電算環境の保守管理がiOSでは圧倒的に簡単になるという。

 IBMの発表は、IBMの業務用アプリケーション群とアップルのOSおよびハードウェアの組み合わせが、職場の電算環境にとって低コストで管理しやすく機能性にもすぐれている点を強調したいという両社の思惑があるとみられる。

 IBMとアップルは、積年の対立関係から一転して、アップル製品の環境に対応した業務用アプリケーション群をIBMが開発して法人市場を開拓するという異例の業務提携を1〜2年前に結んだ。

 その背景には、個人所有のアイフォーンやアイパッドを仕事に使う従業員が激増したため、iOS端末環境向けに生産性アプリケーションを多数投入することで、職場の電算市場を奪うことができると考えたIBMとアップルの狙いがあった。

 両社はその後、その関係をデスクトップにも拡張し、IBMでは、社内パソコンをマックに入れ替え始めた。

 「IBM従業員の73%はウィンドウズ系パソコンよりマックを選ぶ」「マックはIBMと日本で標準機種となっている」とプレヴィン氏は強調した。

 同氏によると、2015年にIBM内のマック利用者のわずか5%がヘルプ・デスクの助けを求めたが、ウィンドウズ系パソコン利用者ではその率が40%だった。

http://www.computerworld.com/article/3131906/apple-mac/ibm-says-macs-are-even-cheaper-to-run-than-it-thought.html