Tuesday, November 15, 2016 10:23 AM
インターネット協会、トランプ氏に要望提示〜優先政策一覧を公開書簡で送付
米インターネットおよび技術企業40社で構成される業界団体のインターネット協会(Internet Association)は14日、大統領選挙運動期間中の反トランプ路線を押し殺し、ドナルド・トランプ米次期大統領に対し、向こう4年間の優先政策一覧を列挙した10ページの公開書簡を送った。
インターネット協会には、グーグルやフェイスブック、ウーバー、エアビーエンビー、アマゾンといった米国を代表するインターネット大手やシリコン・バレー大手が加盟している。
ブルームバーグによると、シリコン・バレーは、ほとんどの大企業経営者らが反トランプを公然と掲げた代表的業界だが、今回、その矛先をしまいこみ、技術業界がさらなる経済貢献と雇用創出に寄与するための政策路線の要望を提示した。
インターネット協会は公開書簡のなかで、「われわれは、米国の革新と自由、そして独創性の最善部分を代表する」「開かれた生産的議論を期待している」と述べるとともに、「インターネットによって人々をつなげられることは、あなた自身の選挙運動でも証明された」とインターネットに足かせとなる政策が得策ではないことを訴えた。
同協会は、移民規制の強化が米技術業界の人材確保を困難にし、革新力や競争力の弱体化につながると指摘した。また、個人情報の暗号化によるデータ保護は利用者の信用をえるために不可欠であり、それが米技術業界と米経済のための発展を支える、と主張した。
さらに、共有経済型事業モデルの規制緩和や、知的財産から計上される利益に関する減税、米インターネットおよび技術企業に対する欧州連合の姿勢を硬化させるような政策が米技術業界を不利にさせるという要望も盛り込まれた。
同協会の公開書簡は、移民や女性に関する同氏の不適切発言に関して同氏に批判を浴びせた過去を過去として、これからは前進することに主眼を置くというシリコン・バレーの対トランプ姿勢軟化を示すものだ。
ただ、同書簡は、2年前に起草されているため、ヒラリー・クリントン氏が当選していてもクリントン氏に送付されたと思われる。細かな部分は当然ながら相手に応じて直前に加筆修正されている。