Thursday, December 01, 2016 11:12 AM

ゴープロ、従業員の15%を削減へ〜スマートフォンの高性能化に敗北

 ゴープロ(GoPro)は11月30日、従業員の15%を削減し事業再編する計画を明らかにした。

 同社は、身体装着型で小型軽量のキャムコーダーを開発し、それが爆発的に売れたことで、数年前には一世を風靡したと言ってよいほど急成長した。同社製品は「アクション・カメラ」とのちに呼ばれるようになった新製品分野をデジタル・キャムコーダー市場にもたらしたが、近年、その需要は急激に弱まった。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ゴープロは、娯楽事業部門を閉鎖し、複数の施設を縮小、200人以上の常勤従業員を解雇すると同時に、現在求人中の職を撤廃することで、2017年の営業コストを6億5000万ドルに圧縮する。

 同社はそれと並行して、製品種をふたたび多様化させることで現状打破を試みる方針だ。

 ゴープロのアクション・カメラ製品は、高機能スマートフォンの普及によって市場を奪われてきた。アップル(Apple)やサムスン(Samsung)のスマートフォンには、高画質録画機能が標準搭載されている。また、第三者業者の周辺商品によって身体装着用途も拡充された。そのため、アクション・カメラの存在意義が劇的に侵食された。

 アイチューンズ(iTunes)の登場によってタワー・レコーズがつぶれ、ネットフリックス(Netflix)の登場によって映画ビデオ貸し出し最大手のブロックバスターがつぶれたのと同じ構図だ。

 ゴープロは2種類の新型カメラを10月に発売し、再建策の一環として開発した無人飛行機(ドローン)も市場投入した。しかし、新型カメラの売れ行きは低調で、さらに、ドローンは発売から間もなくリコールを強いられ、ゴープロは非常に厳しい状況に直面にすることになった。

http://www.wsj.com/articles/gopro-to-cut-15-of-jobs-amid-restructuring-1480509910